カナダのCorelは現地時間3月5日,オフィス・スイートの最新版「WordPerfect Office 11」を発表した。2003年4月下旬より北米で販売を開始する予定。

 「WordPerfect Office 11は,作業の効率化を図る新機能を備えている。また,従来の使いやすさと柔軟なライセンシング体系はそのままに,コラボレーションを容易にするファイル共有機能を強化した」(同社)

 Corel社ソフトウエア開発部門執行担当副社長のGraham Brown氏は,「長年同製品を使用してきたユーザーを念頭に置くことはもちろん,高額で厳しいライセンス条件を課す米Microsoftの『Office』に不満なユーザーも視野にいれた」と述べた。

 WordPerfect Office 11の主な特徴は以下の通り。

・作業効率を向上する新機能「Document Map」と「Collaborative Review」を追加。また,「Reveal Codes」や「RealTime Preview」が書式管理を強化する。

・旧版の「WordPerfect 5.1」のインタフェースを提供する「Classic Mode」機能を搭載。画面の背景色やショートカット・キーなど,WordPerfect 5.1と同じユーザー環境を利用できる。

・法律分野に特化した「WordPerfect Law Office Editions」の機能にアクセスしやすいよう,ツールバーを強化した。

・スライド,スプレッドシート,WordPerfectファイルからXML文書に書き出すことが可能。

・ワープロ・ソフトの「WordPerfect」とプレゼンテーション・ソフトの「Presentations」では,「Publish to PDF」機能を使ってPDF形式でのファイル出力が可能。なおパッケージ内のすべてのソフトにおいて,HTMLへの書き出しを行う「Publish to HTML」機能,ODMA(Open Document Management API)へのサポート,「Microsoft Word」やRTFファイルの一括変換ユーティリティを適用できる。

・電子メールを使った「Document Routing」機能と「Microsoft Outlook」のアドレス帳サポートにより,Outlookユーザーとのコラボレーションが可能。

・スプレッドシート「Quattro Pro」をカナダZIM SMSの「ZIM SMS Office」と統合することで,携帯電話を使った遠隔操作を実現。

 WordPerfect Office 11にはスタンダード版とプロフェッショナル版がある。スタンダード版の希望小売価格は299.99ドル。旧版からのアップグレード料金は149.99ドル。プロフェッショナル版は,ライセンス契約を通じて入手可能。また,教育関係者向けには99.99ドルで提供する。

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