カナダのCorelは,北米でオフィス・スイートの最新版「WordPerfect Office 11」の販売を開始したことを現地時間4月16日発表した。

 新版では,XMLをベースとしてドキュメントとバックエンドのシステムがデータを共有できるようにする新しい機能を提供している。パッケージには,ワープロ「WordPerfect」,表計算「Quattro」,プレゼンテーション「Presentations」の各ソフトを収録する。

 新製品には,これまで別売りだった法律関係書類を作成するためのツール,PDF形式によるパブリッシュのサポートを統合している。また,Microsoftの電子メール・クライアントの「Outlook」を使って電子メールを使ったユーザーとのコラボレーションが可能。また,新しいナビゲーション・インタフェースにより,大きなドキュメント内で特定の個所が容易に検索できるようになった。

 同社は,同製品が主に政府関係と法律関係の既存のユーザーをターゲットにしているとしているが,主要PCメーカーとのOEM契約により,新しいPCにWordPerfectを搭載する契約で一般ユーザーと小規模企業への普及も狙っている。

 また,同製品では,異なる規模のユーザーに対応するために,さまざまなライセンシングのオプションを用意している。米Microsoftのライセンシングと差別化を図り,1人のユーザーが,自分のラップトップPCやデスクトップPCなど複数のコンピュータ上にソフトをインストールできるライセンスを採用している。そのため,単一のライセンスでそれぞれのコンピュータから同ソフトが利用できる。

 WordPerfect Office 11は,Windows 98以降に対応。スタンダード版とプロフェッショナル版がある。スタンダード版の希望小売価格は299.99ドル。旧版からのアップグレード料金は149.99ドル。データベース・アプリケーション「Paradox」を収録する企業向けのプロフェッショナル版は,ライセンス契約を通じて入手可能。また,教育関係者向けには99.99ドルで提供する。

 英語版に続き,仏語,スペイン語,独語,イタリア語,ブラジル系ポルトガル語版もリリースされる予定。現在,Windows OSにしか対応していないが,同社は将来のバージョンに向けてOSの評価を行なっており,Linuxを視野に入れる可能性を明らかにしている。

 30日間限定の無償トライアル版は,同社のWebサイトからダウンロードにて入手可能。

◎関連記事
米MSが次期Officeの提供形態を明らかに
加Corelが2003年1Q決算発表, 2830万ドルの売上高,純損失が57万4000ドル
MicrosoftがCorelへの投資で1億ドル損失
加コーレル,「WordPerfect Office 11」を発表。北米で4月から発売

発表資料へ