AeA(旧American Electronics Association:米国電子協会)が米国時間5月22日に,米国のブロードバンド接続利用に関する調査結果を発表した。AeAが米連邦通信委員会(FCC)のデータを整理したもの。それによると,2002年6月時点の利用者数は1620万人で,1999年12月の280万人に比べ488%急増したという。

 ただし普及のペースは鈍化傾向にあり,2001年12月~2002年6月の成長率は27%と,1999年にFCCが統計を取り始めて以来最低となった。

 主な調査結果は以下の通り。

・2001年12月~2002年6月に利用者数は340万人増加した。調査期間ごとの成長率を以下に示す

■表1 調査期間ごとの成長率

調査期間                 成長率
1999年12月~2000年6月    59%
2000年6月 ~2000年12月   62%
2000年12月~2001年6月    36%
2001年6月 ~2001年12月   33%
2001年12月~2001年6月    27%

出典:AeA

・人口の多い都市中心部では,ほぼ全域でブロードバンド接続が利用可能になった。しかし農村部では,ブロードバンド・サービス・プロバイダを利用できるのは50%に過ぎない

・通信方式別でみると,1位がケーブルで56.6%(920万人)。以下DSLが31.5%,その他が11.9%と続く。ちなみに1999年12月時点のケーブル利用者数は140万人だった

・家庭/小企業が,全ブロードバンド利用者の86%(1400万人)を占める

・州別にみた状況を以下の表に示す

■表2 利用者数の多い州トップ5(2002年6月,単位:人)

順位      州名              利用者数
1      カリフォルニア      2,598,500
2      ニューヨーク        1,460,900
3      フロリダ            1,119,700
4      テキサス            1,050,500
5      ニュージャージー      693,000

出典:AeA
■表3 利用者の増加が多い州トップ5(2001年12月~2002年6月,単位:人)

順位      州名              利用者の増加数
1      カリフォルニア        557,200
2      ニューヨーク          261,700
3      テキサス              209,800
4      フロリダ              208,400
5      オハイオ              143,300

出典:AeA
■表4 1000世帯当たりの利用者数が多い州トップ5(2002年6月,単位:人)

順位      州名              利用者数
1      マサチューセッツ          239
2      ニュージャージー          226
3      カリフォルニア州          226
4      コロンビア特別区          222
5      アラスカ                  211

出典:AeA

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