市場調査会社の米Solomon-Wolff Associatesは米国時間6月24日に,広帯域接続の利用状況について調査した結果を発表した。それによると,インターネット・ユーザーの約30%がケーブル・モデムあるいはDSL接続サービスを利用している。またダイヤルアップ接続は64%,ISDNおよびT1回線を利用した接続は6%だった。

 調査は2002年1月に,7200人以上のインターネット・ユーザーを対象に実施したもの。

 3年前では,広帯域ユーザーがインターネット・ユーザー全体に占めた割合はわずか6%強だった。ケーブル・モデムとDSLサービスの利用者数は着実に伸びており,今後も継続して増加する。2004年初めには,家庭ユーザーの50%以上が広帯域接続を行う見通しだ。

 「ユーザーはWWWページの表示が遅いことを嫌うが,画像を多用した複雑な構成のサイトが増えるにつれ,ページの読み込みにますます時間がかかるようになる。広帯域接続は,WWWにスムーズにアクセスしたいユーザーの需要に応えることができる」(Solomon-Wolff社のJoey Wolff氏)

 Wolff氏によると,広帯域接続の需要増加はユーザーの満足度が高いことからも容易に想像がつくという。サービスに「完全に満足している」ユーザーの割合は,ダイヤルアップ接続の25%に対し,広帯域接続の場合は34%に達している。

 広帯域接続ユーザーの内訳をみると,ケーブル・モデム利用者が20%,DSL利用者が10%を占める。これについてWolff氏は,「ケーブル会社の方がサービス提供時期が早かった。電話会社は,約1年半遅れでDSLサービスの提供を開始した」と説明する。

 ケーブル・モデム・サービスでは,米Time Warner Cable傘下のRoad Runnerがケーブル・モデム利用者全体の約25%を獲得し,首位に立っている。Road Runner社のユーザーのうちサービスに「完全に満足している」割合は47%で,ユーザーの満足度でも1位だ。次いでユーザー数が多いのは,米Comcastと米AT&Tのブロードバンド部門が合併した米AT&T Comcastで,ケーブル・モデム利用者全体の15%を占めている。

 一方,DSLサービスでは米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)のユーザー数が最も多く,17%の市場シェアを獲得。しかし,ユーザーの満足度では3位の米BellSouthがAOL社を上まわる。BellSouth社ユーザーの38%が「完全に満足している」という。

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