米Overture Servicesは米国時間5月8日,今後の業績見通しについて明らかにした。2004年には現在の投資の効果が現れ,大幅な利益拡大が期待できるという。同社社長兼CEOのTed Meisel氏は,正式な予測ではないとしながらも,「2004年の1株当たり利益は2003年の2倍に成長する見込みだ」と述べた。Overture社は2003年の1株当たり利益を35~42セントと予測している。

 「最近行った買収により,当社は収益源を多様化し,次世代インターネット検索を構築して競争力を大幅に拡大することができる」(Meisel氏)。Overture社は,ノルウェーのFast Search & Transfer(FAST)のWeb検索部門買収と米AltaVista買収の手続きを最近完了している。なお,Overture社はAltaVista社の買収に伴って従業員削減と事務所閉鎖を実施し,1年当たり約700万ドルのコスト節約を目指すという。削減の対象となるのは,AltaVista社の営業と財務部門の約100人である。

 またMeisel氏によると,2008年には同社のインターネット検索と関連サービスが世界で150億ドル規模に成長する見込みだという。Overture社が提供するインターネット検索と関連サービスには,特定のキーワードによる検索時に広告主のサイトを検索結果の上位にリスト表示する「Pay-For-Performanceサービス」,検索エンジンのインデックスへの登録に料金を徴収する「ペイド・インクルージョン・サービス」,関連性の高い広告を提示する「文脈型広告サービス」が含まれる。

 Overture社は,検索関連製品を組み合わせたフル・スイートの作成に取り組むとし,今後90日間でFAST社とAltaVista社のペイド・インクルージョン製品を統合する。文脈型広告サービスの「Content Match」は2003年第2四半期にリリースする予定。

 また同社は今年中に,オーストリア,オランダ,スイス,スカンジナビア諸国に事業を拡大する。

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