オーバーチュアは2002年12月4日,ほかの検索サービスと組み合わせて使う広告表示サービス「検索キーワード広告サービス」を開始すると発表した。あるキーワードに対して広告主が入札した広告料の順に,広告主が登録したページが表示される。「goo」,「infoseek」,「Lycos Japan」「MSN」「Yahoo! Japan」の五つのポータルサイトがこのサービスの利用を表明した。通常の検索結果とは別に,そのキーワードに関連するスポンサーを重みと広告料に応じて表示する。

 このサービスは,米国で新たなインターネット広告モデルとして注目を集めている。米Overture Services社が開発した。Overture Servicesは,このサービスを1997年に米国で開始し,MSNやYahoo!などに提供している。商品やサービスの購入を考えている人がそれを探す目的などで使われる。すでに英,独,仏にも進出しており,日本は5カ国目となる。

 Googleも,広告料によって表示順序を変えるサービスを開始している。広告料だけでなく,クリック数も順序決定の要因になる。Googleはこれでユーザーの満足度を反映できるとしている。これに対しオーバーチュアの鈴木茂人代表取締役社長は「これは広告主には不透明。オーバーチュアは純粋に広告料で順序を決めるため,広告主にとって理解しやすい」という。またオーバーチュアは,商品に対して結びつけられたキーワードが適切かどうかを,専門のチームが人手でチェックする。チェックした結果,不適切だと判断した場合は入札を受け付けない。これにより,「サービスを利用するユーザーにとっても,満足の得られる結果が出せる」(鈴木社長)という。

 オーバーチュアとの提携を発表したポータルサイトのうち,Lycos JapanとYahoo! Japanは先週からすでにサービスを開始している。gooは発表同日から,MSNとinfoseekは近日中にサービス開始予定。どのポータルサイトも,従来の全文検索エンジンとオーバーチュアを併用する。最終的な検索結果は,両者の結果を混ぜ合わせたものになる。

(八木 玲子=日経バイト)

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