米IBM，中小企業向けの開発技術やサポート・プログラムを発表

和田英一

2003.04.11

　米IBMは，中小企業の開発者向けの技術やサポート・プログラムを米国時間4月10日，発表した。IBM社のオープンなインフラ・ソフトウエアをベースにしたソリューションの開発を支援するとしている。

　「当社が提供するプログラムやリソースにより，独立系ソフトウエア・ベンダー（ISV）や企業の開発者は，オンデマンドe-businessのソリューションを構築して，サプライヤ，顧客，従業員に向けた各業務を統合できる」（IBM社）

　今回発表した主な内容は以下の通り。

・中小企業向けLinuxソリューション「Platform Express」。e-businessソフトウエア「WebSphere Express」とデータ管理ソフトウエア「DB2 Express」に，米Intel製プロセサ搭載サーバー「eServer xSeries」を組み合わせる。WebSphere ExpressとDB2 Expressは，同社の中小企業向けブランド「Express」のソフトウエア製品である。

・標準規格ベースの開発環境「Express Runtime」。パートナ企業の中小企業向けアプリケーション開発を加速化する。

・開発者向けリソース提供サイト「alphaWorks」の新たな中小企業向けライセンス・プログラム。IBM社Research部門の新技術を100ドル未満で購入することができる。2種類の新しいJava技術が含まれる。

　IBM社は，Webサービスの普及促進を図る取り組みも明らかにした。「Enterprise Modernization Initiative」では，既存のアプリケーションをWebサービス対応にするためのツールを開発者に提供する。「Speed-Start Web Services」は，企業が標準規格とIBM社のソフトウエアを用いてWebサービスを容易に導入できるよう支援する。

　また，米BEA Systemsの「WebLogic」に対応した「WebSphere Studio」開発ツールを，同社の「developerWorks」サイトで無償提供する。開発者はJava 2 Platform Enterprise Edition（J2EE）アプリケーションをWebLogic向けにテストし，実装することが可能。

　そのほか，自律コンピューティング・システムの構築を支援するパートナ・プログラム「Autonomic Computing Business Partner Initiative」について明らかにした。同プログラムでは，自己管理／自己修復機能を備えたコンピューティング・システム構築に関わるパートナ企業に，技術コンサルティングやサポートを提供する。

　ちなみにIBM社は，自律動作可能なシステム管理ソフトウエア「Tivoli Autonomic Monitoring Engine」を4月9日に，自律型コンピューティング・システム構築のためのアーキテクチャを4月4日に発表している。