米IBMが米国時間2月18日に,「DB2」「Lotus」「Tivoli」ソフトウエア・ブランドの中小企業向け製品を発表した。中小企業におけるビジネス・プロセスの統合や管理を支援する。

 今回発表した製品は,データ管理に向けた「DB2 Express」,ストレージ管理に向けた「Tivoli Storage Resource Manager Express Edition」,コラボレーションとメッセージングのための「Lotus Domino Utility Server Express」と「Lotus Domino Collaboration Bundle Express」。名称に含まれる「Express」が,中小企業に特化した製品であることを表す。

 「これらのExpress製品で,中小企業が財務や会計管理,CRM(customer relationship management),SCM(supply chain management)などのさまざまな種類の作業処理を容易に統合できるようにする」(IBM社)

 各Express製品の主な特徴は以下の通り。

・DB2 Express:自己調整や自己設定などの自律機能を備える。対応OSはLinuxとWindows。現在ベータ版を顧客向けに出荷している。一般向けのリリースは2003年第2四半期を予定している。価格は最小構成の場合,1000ドル以下

・Tivoli Storage Resource Manager Express Edition:シングル・プロセサ構成のデスクトップ・パソコンで稼働するよう設計した。社内ストレージの効率的な管理を支援する。2003年第2四半期にリリースする

・Lotus Domino Utility Server ExpressとLotus Domino Collaboration Bundle Express:Lotus Domino Utility Server Expressは,WWWブラウザやNotesクライアントを介して無制限にコラボラティブ・アプリケーションにアクセスできるようにする。Lotus Domino Collaboration Bundle Expressでは,Lotus Domino Serverと,Lotus NotesクライアントまたはLotus Domino Web Access(iNotes)を組み合わせる。ともに,2003年第2四半期に利用可能にする

 なお,IBM社はすでに「WebSphere」ブランドのExpress製品,「WebSphere Application Server - Express」と「WebSphere Portal - Express」を発表している。WebSphere Application Server - Expressは現在LinuxとWindowsに対応しているが,2003年前半にAIX,Solaris,HP-UXにも対応させる予定。また,WebSphere Portal - Expressの新版を2003年第2四半期にリリースする計画である。

 ちなみに米IDCによると,北米企業のIT(ハードウエア,ソフトウエア,サービス)支出のうち,54%以上が従業員1000人以下の企業によるものだという。

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