米Gartnerは,2002年の世界半導体製造装置市場に関する調査結果を米国時間4月8日,発表した。それによると,2002年の同市場の総売上高(テスト装置を含む)は2001年から30.4%減少し,185億ドルとなった。

 「2002年の低迷は,エンドユーザーの需要が期待ほど伸びなかったことや,マクロ経済の不透明感が増大したことが要因だ。半導体ベンダー各社は2002年後半に急激な打撃を受け,支出予算を削減し,プロジェクトを延期あるいは保留にして,製造装置の注文をキャンセルした」(Gartner社半導体調査グループ担当副社長のKlaus-Dieter Rinnen氏)

 すべての分野が落ち込んだが,パターン転写やフォトマスク,銅相互接続,工場の製造工程自動化,コンタクト・プローブ,フリップ・チップ,相互接続一般などの技術を含む最新技術分野は,比較的影響が少なかった。電気化学堆積(ECD)や低密度プラズマ堆積分野はそれぞれ前年比11.2%減と8.1%減にとどまり,他の主要分野ほどの急落は免れた。また,「前年比53.2%増加した原子層堆積(ALD)や同55%増のシリコン・ゲルマニウム結晶成長といった一部の新技術は,研究開発から製造段階に移行しつつあるため,成長が著しかった」(同氏)

 ウエーハ製造装置市場は,引き続き半導体製造装置市場を牽引した。2002年の世界ウエーハ製造装置の売上高は前年比31.6%減の165億3000万ドルだったが,半導体製造装置市場の総売上高の89.1%を占めた。

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