米IBMとCERN(欧州合同素粒子原子核研究機構)は,グリッド・コンピューティング用の大規模データ管理システム構築のため共同で開発作業を進めると,ニューヨーク州アーモンクとスイスのジュネーブで現地時間4月2日に発表した。
この開発計画では,IBM社が中核となるストレージ仮想化/ファイル管理技術を提供する。「現在利用可能なシステムよりはるかに大容量のデータを扱えるファイル・システムを構築し,自然現象や宇宙にまつわる根本的な疑問の解明を目指すCERNの研究者の作業を支援する」(IBM社)
こうした目的の達成に向け,同社は「Storage Tank」と呼ぶストレージ技術を使用する。同技術を使うと,大量のデータを扱う際に,ファイルがどのようなOSの管理下にあっても関係なく単一のファイル名名前空間で管理できるようになるという。同社とCERNはStorage Tankの機能拡張を実施し,大量のデータに世界中からアクセスできるシステムを構築する。
同システムでは,CERNの次世代加速器Large Hadron Collider(LHC)の生成する年間数10億Gバイト(1000Pバイト)のデータを処理するとしている。「LHCでは,ごく小さな規模でビッグ・バン直後の状態を再現することで,“宇宙はどのように作られたのか”,“ビッグ・バンの振る舞いを支配する法則はどのようなものなのか”といった大きな疑問の答えを得られるだろう」(同社)
LHCは2007年に稼動予定で,それに先立つ2005年までに,同社とCERNは最大1Pバイト(100万Gバイト)のデータを処理可能なシステムを構築する計画である。
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