米First Dataと米Concord EFSは,First Data社がConcord社を吸収合併することで最終合意に達した。両社が米国時間4月2日に明らかにしたもので,買収金額は約70億ドルという。

 First Data社は,電子商取引/決済サービスを手がける企業。約300万件の加盟店を持ち,1400社のカード発行会社と取引がある。本社はコロラド州デンバーで,全世界に2万9000人の従業員数がいる。一方Concord社は,決済処理用の技術およびネットワーク・システムを扱う企業。クレジットカード/デビット・カード/小切手/EBTによる支払いシステムを,スーパーマーケット,ガソリンスタンド,レストランなどに提供している。本社はテネシー州メンフィス。従業員数は2640人。

 Concord社を買収するため,First Data社はConcord社の普通株式1株につきFirst Data社株式0.40株を提供する。前日のFirst Data社株式の終値から算定すると,Concord社の普通株式1株当たり13.87ドル支払うことになる。取引を完了するには,First Data社はConcord社の株主に対し約2億株の普通株式を発行し,最終的にConcord社の株主がFirst Data社の発行済み株式の約21%を所有すると見込む。

 合併後の会社の規模は,年間売上高が約100億ドル,従業員数が3万1000人以上となる。「この合併により,銀行や商店などの顧客に対し,電子決済サービス全般について今までよりも幅広い選択肢を提供できる」(First Data社)

 なおFirst Data社では,「この買収が2004年における1株当たり利益に影響を与えることはない」とみている。「両社が合併することで,2005年には年間約2億3000万ドルの経費削減効果が得られるだろう」(同社)

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