米BEA Systemsは,米IntelのItanium 2プロセサに最適化したスタンドアロンJava仮想マシン(JVM)「BEA WebLogic JRockit 8.0」を一般公開した。BEA社が米国時間2月18日に明らかにしたもの。同社では,「Intelアーキテクチャに最適化した唯一のJVMを導入することで,顧客は安価なハードウエア/OSで高性能アプリケーションが使えるようになる。これにより総所有コスト(TCO)の大幅削減を実現できる」と説明する。

 また同社によると,BEA WebLogic JRockit 8.0は(Itanium 2の)IA-32アーキテクチャ対応を強化しただけでなく,『BEA WebLogic Enterprise Platform』への最適化も施してあるという。

 さらに同JVMには,「開発者の生産性向上に役立つ強力な機能が備わっている」(同社)。たとえば,「JRockitのプロファイル/デバッグ用インタフェース(JVMPIおよびJVMDI)を改良したことで,アプリケーション性能の最適化作業が行いやすくなり,問題の発見/解決が迅速に行えるようになった」(同社)

 BEA WebLogic JRockitに実装した業界標準のインタフェースは,同社の開発フレームワーク「BEA WebLogic Workshop」のほか,Intel社のVTune Performance Analyzerなど他社製開発/プロファイリング・ツールにも適合してある。

 またBEA社は,Intel社のXeonプロセサ・ベースのシステムを使い,WebLogic JRockitのベンチマーク試験を実施した。典型的なJava業務アプリケーションを動作させてサーバーの性能を調べるベンチマーク,SPECjbb2000で計測したところ,WebLogic JRockitはWindowsおよびLinuxの動作する4ウエイ・サーバーで1位と2位を獲得したという。さらに,クライアント上でのJVMの性能を示すSPECjvm98でも1位になったという。

 BEA WebLogic JRockit 8.0は,直ちに無料で利用可能とする。利用するには,BEA社のWWWサイトからダウンロードするか,Intel社から入手すること。

 なお米メディアの報道(InfoWorld)によると,JRockitはBEA社が2002年の初めにスウェーデンのAppeal Virtual Machinesから購入したもので,Intel社の協力を得てIntel製プロセサ向け最適化を行ったという。

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