日本BEAシステムズは,4月23日,J2EE(Java 2 platform, Enterprise Edition)に準拠したWebアプリケーション・サーバー最新版「BEA WebLogic Server 7.0」の日本語版を発表した。この中でPCサーバー向けに最適化したJava仮想マシン「JRockit」を新たに提供し,PCサーバーの市場にも積極的に売り込んでいく方針を明らかにした。

 JRockitはIntelと共同でPCサーバー向けに設計したJava仮想マシン。ガベージ・コレクションやマルチスレッドを実現し,PCサーバー上でJavaアプリケーションの実行速度を向上させる。32ビット・プロセッサのサーバーだけでなくItaniumといった64ビットのプロセッサを搭載したサーバー向けにも最適化して提供する。利用できるOSはWindowsとLinuxの2つである。

 米BEA Systemsで最高技術責任者(CTO:Chief Technical Officer)を勤めるScott Dietzen氏は,発表の席でマイクロソフトの.NETへの対抗意識をあらわにした。WebLogicのライバルとして,IBMのWebSphereと.NETの名前を挙げたが,「Javaは既に6年の歴史がある」と.NETに対する優位性を強調した。開発ツールのVisual Studio .NETに関しては「開発したアプリケーションもWebLogicと直接通信できる」と受け入れる半面,Webアプリケーション・サーバーとしての.NETには「.NETのAPIはマイクロソフトが勝手に決めている」「Javaは数百のイノベータが共同して開発を進めており.NETよりも開発の速度が速い」「.NETはWindowsを中心としたアーキテクチャなのに対しJavaは全プラットフォームで対等」などと手厳しく評価しJavaが圧倒的に優位であるとアピールした。

(根本 浩之=日経Windowsプロ)