「組み込み型システムに開発者は新しい技術の採用が遅く,注意深い傾向にあるが,過去6カ月においてJava仮想マシン(Java VM:Java Virtual Machine)の使用が急増している」。米Evans Data社が米国時間8月8日に,組み込み型システムの開発者を対象に実施した調査の結果を発表した。

 2002年7月に実施された同調査の結果によれば,開発者の36%がすでにJava仮想マシンを使用しているまたは実装を予定していることが分かった。この結果は,6カ月前に実施された調査の結果から26%増加している。

 組み込み型システムで開発を行っている400名を越える開発者とのインタビュの結果,プロジェクトにおけるJava仮想マシンの使用が増加している主な要因として,ひとつのシステムから別のシステムへのJavaアプリケーションの移植性とインターネットへの接続性を挙げている。

 また新しい調査では,組み込み型Linuxは注目され続けるが,採用率は前回の調査からわずかの増加に留まっていることが明らかになった。開発者は,標準に対する不安/フォークに関する懸念,不十分な商用サポートが組み込み型OSとしてのLinuxの弱点として挙げている。また,長所としては予測された通り,無料のライセンシングとソースコードへの完全なアクセスが挙げられている。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・組み込みシステムの開発者の半数以上が,プロジェクトの10~50%が中止されていると報告している。完了されたものも3分の1のプロジェクトに1年以上費やされ,40%が完了に6カ月~1年かかっている。

・過去1年を通して,将来の設計にシステム・オン・チップを使用する計画があると応えた開発者に大きな変動があった。採用を予定する開発者の数の増加が30%を越えた。

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