米Microsoftは6月18日,Windows XPの標準コンポーネントから除外されていたJava仮想マシン(Java VM)を,2002年夏にリリース予定のサービス・パック「Windows XP Service Pack 1(SP1)」に含めて配布すると発表した。ただし,今回の措置が短期的なものにとどまることも併せて明らかにしている。2004年以降,Windows製品にはJava VMを一切含めないという。

 Java VMを標準のインストレーションに含めない,という当初の決定を覆した理由としてMicrosoftの担当者は,米Sun Microsystemsとの訴訟を挙げている。Windows XPには,Javaコードを初めて実行しようとしたときに,Java VMをインターネットからダウンロード/インストールする「インストール オン デマンド」という機能を搭載している。Sunとの訴訟で,Sunはこの機能が両社の和解内容に反すると主張しているのだ。Java VMを標準コンポーネントにすれば,争点の1つになっているJava VMのインストール・オン・デマンド機能を事実上無効にできる。

 「とりあえずSP1にはJava VMを含めることになったが,WindowsでのJavaのサポートを取りやめるという計画に変更はない。これは元々,Sunが法を盾にとってきたために立てられた計画だ。和解時の合意では,2004年1月1日以降,MicrosoftはJavaを実装したシステムに対して一切の変更を加えられないことになっており,セキュリティ面の修正を加えることすらできない。MicrosoftとしてはカスタマやWindowsをそのようなリスクにさらしてまでJava VMをサポートし続けることはできない」という。

 ただし,MicrosoftはPCメーカー各社が好きなバージョンのJava VMをWindows XPマシンに含めることができることも指摘している。なお,Microsoftに近い筋の情報では,Windows XP SP1は8月中ごろにリリースされる。