米DisplaySearchは米国時間1月29日,2002年のPDA向けディスプレイ市場に関する調査結果を発表した。それによると,PDA向けディスプレイの売上高は前年と比べ37.4%急増した。「モノクロのSTN LCDからカラーTFT LCDへの移行が,売上高をけん引した」(DisplaySearch社)。ちなみに,PDAの出荷台数は1390万台で,前年比14.5%増である。
 
 DisplaySearch社は,PDAを「3~4.5インチのディスプレイを搭載したコンピューティング機器」と定義づけ,デジタル・カメラ,GPS,リモート・コントロール,携帯電話機能などを搭載する統合型デバイスと区別している。

 主な調査結果は以下の通り。

・PDA向けディスプレイは,2002年前半が不調だったものの,第4四半期に大きく盛り返した。第4四半期の出荷台数は,前年同期比46%増加,前期比で14%伸びた

・PDA向けディスプレイの平均販売価格は,2000年第1四半期の28ドルから,2002年第4四半期には44ドルへ上昇した。160×160ピクセルのモノクロSTN LCDから,最大640×480ピクセルのカラー低温ポリシリコン(LTPS)TFT LCDへ移行が進んだためである

・モノクロSTN LCDの出荷台数がPDA向けディスプレイ市場全体で占める割合は,2000年第1四半期の77.2%から2002年第4四半期には27%に縮小した。一方,LTPS TFT LCDが占める割合は,同期間に1.6%から33.5%に拡大した

・2002年第4四半期にTFT LCDの売上高は,PDA向けディスプレイ市場全体の85.3%を占めた。2000年第1四半期におけるその割合は34.5%だった

・世界PDA市場で,2002年第4四半期における北米の出荷台数ベースのシェアは52.4%。日本のシェアは8.4%となり,2000年第1四半期の15.7%から縮小した

 「PDA市場の規模はまだ小さいが,近い将来,パソコン,通信機器,ゲーム,家電製品などのシェアにくい込むことが予測され,行方を見守る必要がある」(DisplaySearch社)

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