米DisplaySearchが米国時間9月11日に,小/中型液晶ディスプレイ(LCD)市場に関する調査結果を発表した。それによると,2002年第2四半期における携帯電話機/PDA/車載用モニター/ビデオ・カメラ/デジタル・カメラ向けLCD市場のサプライヤのランキングに大きな変化があり,同市場は新しいリーダーによって牽引されているという。同市場における全体の出荷台数は,前年から20.3%増の1億1440万ユニットだった。これを受け,売上高も15.1%増加して14億ドルになった。

 携帯電話のディスプレイでは,韓国のSamsung SDIがEpsonから首位を奪い,PDAディスプレイでは首位がPicvueからEpsonに移っている。車載用モニターではTMDisplay(ToshibaとMatsushitaのディスプレイ事業部門の合併企業)がSharpを抜き,デジカメではSonyがCasioを抜いた。

 また,車載用モニターとデジカメのディスプレイ調達においても首位が入れ替わっている。同市場では,Fujitusu-TENがPanasonicを抜いた。デジカメ市場では,SonyがFujifilmを抜いてデジカメ・ブランドで1位を獲得し,Fujifilmは,OlympusとCanonに続いて4位に下がった。携帯電話では,Nokiaが首位を維持し,MotorolaとSamsungが2位と3位につけた。PDA部門では,同期の出荷台数が減少したもののPalmが首位を守った。ビデオ・カメラのブランドとしては,Sonyが引き続き首位についた。

 ディスプレイ・サプライヤの主なランキングの推移は次の通り。
・同期における携帯電話ディスプレイは,市場シェアを前年同期の23.2%から23.7%に伸ばしたSamsung SDIが首位を獲得した。PhilipsとEpsonが後に続く。競争が激しく,急成長中のAMLCD携帯電話モジュール市場では,TMDisplayが25.9%のシェアを獲得して1位に付け,EpsonとSharpがこれに続いた。
・同期のPDA市場では,シェアを15.0%から16.9%に伸ばしたEpsonが首位についた。SonyとPicvueが続く。
・車載用モニター市場は,シェア43.9%を獲得したTMDisplayが1位で,SharpとAU Optronicsがこれに続いた。
・ビデオ・カメラ市場では,Sharpが市場シェア31.9%で引き続き首位を守った。AU Optronics,TMDisplay,Sonyが続く。
・デジカメ市場は,Sonyが前年同期の市場シェア24.1%から25.5%に伸ばし,Casioから首位を取り戻した。

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