米Microsoftが米国時間12月10日に,Windowsプラットフォームの管理作業を簡素化するための包括的サービス「Microsoft Solutions for Management(MSM)」を発表した。直ちに利用可能とする。「MSMにより企業は,総所有コスト(TCO)を削減しつつ,Windowsプラットフォームの運用をスムーズにし,管理作業を改善できる」(Microsoft社)としている。

 MSMでは,「Microsoft Operations Framework(MOF)」と,「Microsoft Systems Management Server」および「Microsoft Operations Manager」といった管理ツールを使う。「IT部門がMSMを利用すると,パッチ管理やソフトウエア・アップデートの導入および自動化,新アプリケーションのインストール,サービスの監視や制御を迅速に行えるようになる」(同社)

 Microsoft社マネージメント・ビジネス・グループ担当ディレクタのDavid Hamilton氏は次のように説明する。「企業は全般的に,IT管理コストおよび間接経費の増加,ソフトウエアのアップデート,複雑なインフラ管理に関わる問題に直面している。MSMによって当社は,Windowsプラットフォームの運用を最適化するのに必要な,作業規定書,トレーニング,製品,コンサルティング・サービスを顧客に提供する」(同氏)

 また同社では,「MSMは,人間,プロセス,技術を組み合わせることで,管理上の重要問題を解決するための青写真を提供する。そして,特定の“シナリオ”に注目し,それに関わる問題の解決を支援する」としている。

 この“シナリオ”には次のようなものがある。

・「MSM for Critical Patch Deployment」:Microsoft Systems Management Serverまたは「Software Update Services」を使用し,Windows 2000/XPへのパッチ/修正/サービス・パック適用を効率化する。

・「MSM for New Application Installation」:Systems Management Serverを使用し,新しいデスクトップ・アプリケーションの導入を迅速かつ効率よく行う。

・「MSM for Monitoring and Control of Windows 2000 Services and Applications」:Microsoft Operations Manager 2000を使用し,Active DirectoryサービスとMicrosoft Exchange 2000 Serverを導入したWindows 2000 Serverの運用管理/監視作業を支援する。

 各シナリオは業界標準のIT Infrastructure Library(ITIL)とMOFをベースにしており,Microsoft社の製品や技術の導入/運用方法を解説する「Product Operations Guides」と,紹介事例を特定のシナリオに適用するための「Solution Operations Guide」を用意している。

 さらにMicrosoft社は,最重要課題/プロセスや技術のギャップ/IT運用環境の寿命などを明確化するサービス「Operations Assessment Service」の提供も行う。

 なお同社によると,米AvanadeがMSMサービスを提供する初の独立プロバイダになったという。

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