米Microsoftが米国時間12月9日に,オフィス・スイート「Office XP」の後継版(開発コード名は「Office 11」)向けの開発者ツール「Visual Studio Tools for Office」(開発コード名)を発表した。

 Visual Studio Tools for Officeを使うことにより,開発者は「Visual Basic .NET」や「Visual C#」で記述したアプリケーションを作成し,WordやExcel内で動作させることが可能になる。

 Microsoft社Developer Platform and Evangelism Division部門バイス・プレジデントのTom Button氏は,「.NET技術を用いたソフトウエアとOfficeの機能を組み合わせることで,デバイスからデータ・センターのサーバーまでさまざまな環境で利用する幅広いアプリケーションを開発できる。また,Officeに新機能を加えることも可能だ」と説明する。

 Visual Studio Tools for Officeユーザーは,2003年4月にリリース予定の開発ツール「Visual Studio .NET 2003」が提供するすべての機能を利用できる。Visual Studio .NET 2003は,エラーの少ない大規模なコードを記述するための編集およびデバッグ環境をはじめ,ユーザー・インタフェース作成,データやXMLとの連携,サーバーサイド・コードおよびコンポーネントの構築といった機能を備える。

 また「.NET Framework」のセキュリティ機能を利用し,信頼性の高いコードだけをWordやExcel書類で実行するといった制御も可能。

 Visual Studio Tools for Officeは,2003年半ばのOffice 11リリースに合わせて利用可能にする。価格などの詳細については後日明らかにする。

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