米IBMとシャープはLinuxベースの企業向けモバイル・ソリューションに関して協力体制を敷くことを11月15日に明らかにした。Linuxに関するシャープの技術とIBM社のソフトウエアを組み合わせ,モバイル・ワーカーが企業アプリケーションを簡単に利用できるようにする。
提携のもと,IBM社はLinuxとJavaをベースにしたデバイス・インフラ・ミドルウエアを提供する。シャープの新たなLinux搭載PDA「Enterprise Edition Zaurus」に,IBM社の「WebSphere Everyplace Access(WEA)」「WebSphere Everyplace Connection Manager(WECM)」を組み込む。
モバイル・ワーカーはEnterprise Edition Zaurusを使って,外出先から企業のデータベースにアクセスし,在庫の確認や資材の注文をはじめ,電子メール,アドレス帳,スケジュールを管理することができる。将来的には音声認識やマルチモーダル機能を追加する予定である。
Enterprise Edition Zaurusは2003年半ばに米国で利用可能にする。その後,他の市場でもリリースを開始する計画である。
IBM社Pervasive Computing Division部門ジェネラル・マネージャのRodney Adkins氏は,「IBM社とシャープはLinuxとJavaの柔軟性を活用し,デバイスおよびソフトウエア技術を組み合わせて,企業のインフラ拡充を支援する」と述べた。
またシャープは,LinuxとJavaをベースにしたオープンなプラットフォームを用いて,IBM社のDB2のほか,米Microsoft,米Oracle,米Sybaseといった各種ベンダーによる企業向けアプリケーションに無線接続できる環境の実現を目指すとしている。
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