米IBMが米国時間4月2日に,携帯機器で企業情報を利用できるようにするソフトウエア「WebSphere Everyplace Access」を発表した。「『WebSphere Application Server』『WebSphere Portal』『DB2』やLotus,Tivoli製品といった技術を生かしたソフトウエア・プラットフォーム」(IBM社)

 WebSphere Everyplace Accessは携帯電話,PDA(携帯情報端末),各種の無線機器を使って企業情報にアクセスするための環境を提供する。「Everyplace Tools」と呼ぶ開発者ツールやクライアント・ソフトなどで構成する。SynchMLやWAP,LDAPといった業界標準の技術を取り入れている。

 前者では既存のアプリケーションをWebSphere Everyplace Access向けに拡張したり,新たなアプリケーションを開発できる。後者ではデータベース・キュー,デバイス管理,セキュリティといった機能を組み込んでいる。 これにより,電子メール,PIM(personal information management),CRM(customer relationship management),SFA (sales force automation) ,サプライチェーンといったアプリケーションが利用できるようになる。

 「これは“いつでも,どんな機器でも,どんなネットワークでも”,を実現するための大きなステップ,この単一のITインフラにより企業は従業員にさまざまなデータへのアクセスを提供できるようになる」(IBM社Pervasive Computing Divisionジェネラル・マネージャのRod Adkins氏)

 WebSphere Everyplace Accessは,「4.1」版として2002年第2四半期に出荷する予定である。

 なお米メディアが伝えるところによると,WebSphere Everyplace Accessは制約のあるPDAのプロセサ・パワーや記憶容量で動作するよう設計されているという。またIBM社が現在,世界中のさまざまな携帯機器で動作試験を行っていること,今後WebSphere Everyplace Accessに,アラート機能や位置情報を利用したサービスの機能を追加していく予定であることを伝えている。

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[www.ibm.comに掲載の発表資料]
[www.businesswire.comに掲載の発表資料]