米SONICblueは米国時間11月6日に,2002年第3四半期の決算を発表した。売上高は7840万ドルで,前年同期と比べ43%以上の増収となった。純損失は3240万ドル(1株当たり損失は33セント)で,前年同期の5530万ドル(同62セント)から赤字を縮小した。

 一時的な費用を除いた営業損失は1370万ドル(1株当たり損失14セント)。前年同期の同条件の営業損失は1770万ドル(同20セント)だった。研究開発費,リストラ関連費用,営業権および無形固定資産の償却費など,一時的な費用を含めた場合の営業損失は2520万ドルで,前年同期の3450万ドルから減少した。

 SONICblue社CEOのGregory Ballard氏は,「今期は営業損益の改善に向けて,いくつかの決断を下した。第4四半期以降に,その成果が現れることを期待している」と述べた。

 また,同社CFOのMarcus Smith氏は,「売上高の増加には『Go-Video』製品ファミリが貢献した。DVD/VCR一体型製品の生産台数は最高レベルに達している」と説明した。しかし同氏によると,「DVD/VCR一体型製品とDVDプレーヤの低価格化が進んでいるため,ASP(平均販売価格)の低下と出荷台数の増加が相まって,粗利率に大きな影響を及ぼした」(同氏)という。

 なお同社は,台湾のチップ・メーカーであるUMCの株を約1億2000万株保有している。2002年9月30日付けの台湾証券取引所の終値および同日の為替レートを元に換算すると,約8180万ドルの市場価値がある。

 SONICblue社は第3四半期に「Rio 900」「Rio S10」「Rio S30」といった新製品をリリースするなど,製品の拡充に努めた。Rio製品では,音楽配信プラットフォーム「Pressplay」や「Windows Media Audio」の最新版に対応している。

 またSONICblue社は,同社が特許を取得しているDual-Deck技術を日本ビクター(JVC)に対してライセンス提供した。同技術はJVCブランドのDVD/VCR一体型製品などに使用されるという。

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