米WorldComは米国時間11月4日に,経営陣の新人事をはじめとする,「会社の信用回復と実直な事業体制およびビジネス・プラクティスの再建に向けた施策」(WorldCom社)について明らかにした。

 WorldCom社社長兼CEOのJohn Sidgmore氏は,「社内および社外の調査により,我が社の管理体制や財務状況における事実が発覚した。我が社は調査報告を深刻に受けとめ,すでに企業経営および内部管理の強化に乗り出している」と説明し,「WorldCom社の経営陣および役員会は,二度と同じ問題を繰り返さないと堅く決心している」と付け加えた。

 ちなみに,裁判所が指名した検査官による予備報告書が,米連邦破産裁判所に同日提出されたという。

 「我々は,新しいWorldCom社を創りあげるために,新しいシステム,ポリシー,手続きを開発し,導入した。財務および会計職を再編成しており,その他の組織再編についても引き続き実行する」(同氏)

 今回発表した人事は,新たなCFOとChief Restructuring Officer,役員会の新メンバー,新しい法律および財務顧問。新たなCFOにはJohn Dubel氏が就任した。Dubel氏は,海外事業経理,営業経理,財務会計,財務監督および処理の経理責任者4名を雇用する計画や,社内監査部門のスタッフを倍増する計画を明らかにした。また,「アジア太平洋事業のCFO職と欧州事業のCFO職を新たに設けた。会計監査役を変更し,特別調査委員会を結成した」(Dubel氏)という。

 役員会には,Nicholas deB Katzenbach氏,Dennis Beresford氏,C.B. Rogers, Jr.氏の3名が加わった。

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