「米WorldComが破産申請した後でもインターネットには何らレスポンスの低下は見られなかった」。インターネット技術の性能評価を行っている米Keynote SystemsがWorldCom社の破産申請がインターネットに与える影響を調査した結果を米国時間7月25日,発表した。

 「傘下にUUNETなど多くの子会社を抱える,インターネットのトラフィックで世界最大の通信キャリアの破産が与える影響を調べた」(Keynote Systems社)。それによると,WorldCom社が破産申請した翌日の7月22日の平均ダウンロード時間は2.41秒だった。これに対し,6月24日から7月21日の期間の平均ダウンロード時間は1.52~2.56秒。つまり,「WorldCom社が破産申請を行った後のインターネットの応答速度は,平常時の平均値の範囲内におさまった」(Keynote Systems社)

 なお7月22日は月曜日で,破産申請後の最初の平日にあたる。インターネットの応答速度は平日の方が週末よりも遅くなる。このことから,今回月曜日に行ったこの調査の結果で,(WorldCom社の破産申請がインターネットに)影響を及ぼさなかったことを証明できたという。

 Keynote Systems社は「Keynote Business 40 Internet Performance Index」と呼ぶベンチマーク・テストを用いて計測した。40の重要サイトに対して,世界の50都市から,1日24時間,T1とT3回線で接続してデータを収集した。

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