米Cisco Systemsは同社のストレージ・ルーター「Cisco SN 5400 Storage Router」向けのリモート・ブーティング機能「Network Boot」を米国時間10月29日,発表した。iSCSI技術を用いる。フロリダ州で開催中のコンファレンス「Storage Networking World Conference」で明らかにしたもの。

 Network Bootにより,IPネットワークを介して複数のサーバーの稼働や起動を外部ストレージ装置から操作することが可能。ユーザーはすべてのサーバーのソフトウエア・アップグレードを一元的に実行することができる。「コストと時間を節約できるだけでなく,ネットワークの信頼性も向上する」(Cisco社)

 Cisco社によると,テキサス州サンアントニオの癌治療研究センター(CTRC:Cancer Therapy and Research Center)が,「Cisco SN 5428」ベースのネットワークでNetwork Bootを試験運用中だという。CTRCは2つのデータ・センターを所有しており,22マイル(約35キロメートル)の距離をIPネットワークで接続している。

 Network Bootを利用するには,Windows 2000に対応したCisco社製iSCSIドライバをサーバーにインストールする必要がある。またサーバーは,米Intelが定義したリモート・ブートの規格「Preboot eXecution Environment(PXE)」をサポートしていなければならない。PXEをサポートしていないサーバーは,Intel社の「PRO/1000 MT Server Adapters」といったLANカードを用いることにより,Network Bootを利用できる。

 Network Bootは,1U(約4.4cm)または2U(約8.9cm)のラックマウント型サーバーや高密度ブレード・サーバーのクラスタ構成における利用も視野に入れている。

 Network Bootはファームウエア・アップグレードによって入手可能。最新のファームウエアはCisco社のWebサイトで提供している。対応製品は「Cisco SN 5420」と同5428。「Cisco MDS 9000 Family」でも利用できるようにする予定である。

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