米Intelが同社のiSCSI対応ホスト・バス・アダプタ「PRO/1000 T IP Storage Adapter」で,米Wind River Systemsの「Tornado for Intelligent Network Acceleration(TINA)for iSCSI Initiators」プラットフォームを採用する。Wind River社が米国時間8月29日に明らかにしたもの。
「当社にとってIPベースのストレージ・ネットワーキングは,大きな成長の機会になるだろう」(Wind River社製品担当グループ副社長のDave Fraser氏)
TINA for iSCSI Initiatorsは,iSCSIプロトコル・レイヤー対応のTINA TCP/IPオフロード・エンジン(TOE)を備える。「ネットワーク装置メーカーに対し,IPベースのストレージ・ネットワーキング装置開発に必要なすべてのハードウエアおよびソフトウエア部品を提供する」(同社)。リアルタイムOS「VxWorks」などを含む「Tornado」統合開発環境から成り,特に高スループットI/O環境に適しているという。
iSCSIは,イーサネットとTCP/IPを使ってストレージ・ネットワークを実現するためのプロトコル。高価な専用ストレージ・インフラやサポート要員が不要になり,全世界規模のTCP/IPネットワーク上でデータを転送できるので,従来のSAN(storage area network)と異なり距離の制約がないという。
「離れた場所から簡単にデータ・バックアップを行えるので,iSCSI対応機器を障害復旧戦略の実装に利用できる」(Wind River社)
Wind River社のTINAソフトウエアは,PRO/1000 T IP Storage Adapterの将来版で利用可能となる。PRO/1000 T IP Storage Adapterの既存顧客は,Intel Customer Supportを通じて同ソフトウエアを入手できるようになる。また,TINA for iSCSI Initiatorsは現在すでに購入可能である。
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