米Borland Softwareが米国時間10月24日に,2002年第3四半期の決算を発表した。売上高は6070万ドルで,前年同期の5500万ドルに比べ10%増加。GAAPベースの純利益は500万ドル(希薄化後の1株当り利益は7セント)で,前年同期の純利益470万ドル(希薄化後の1株当り利益は6セント)に比べ6%増加した。

 ライセンス収入は5030万ドルで,前年同期の4700万ドルに比べ7%増加。GAAP(会計原則)ベースの営業利益は,前年同期の310万ドルに比べて45%増加し450万ドルとなった。
 
 リストラ,無形資産の償却,企業買収などに関する一時的な費用140万ドルを除いた営業利益は590万ドルで,前年同期の330万ドルに比べ77%増加した。一時的な費用を除いた純利益は600万ドル(希薄化後の1株当り利益は8セント)。前年同期の一時的な費用を除いた純利益490万ドル(希薄化後の1株当り利益は6セント)に比べ25%増である。

 前年同期と比較したこのほかの主な業績結果は以下の通り。

・Java事業による売上高は12%増加し,総売上高の35%を占めた
・Rapid Application Development(RAD)事業の売上高は12%増加し,総売上高の31%に当たる。同事業の当期の売上高は,二つの新製品「Borland Delphi 7 Studio」「Borland Kylix 3」の影響が大きい
・エンタプライズ事業の売上高は8%減少し,総売上高に対する割合は17%
・サービス事業の売上高は30%増加し,総売上高の17%を占めた
・地域別でみた売上高は,米大陸が13%増,欧州/中東/アフリカ(EMEA)が10%増,アジア太平洋地域が7%増

 「10四半期連続で採算性を確保し,11四半期連続で営業キャッシュ・フローが黒字となり,当期はたいへん喜ばしい結果を達成した。当社の財務状況が安定していることから,将来につながる先端技術への投資を行える」(Borland社社長兼CEOのDale L. Fuller氏)

 なお同社は,今後の業績見予測についても明らかにした。2002年第4四半期の売上高は6000万ドル~6400万ドル,一時的な費用を除いた場合の営業利益率は7%~10%,一時的な費用を除いた希薄化後の1株当り利益は8セント~10セントの範囲になると見込む。2002年通年の売上高は前年比7%~9%増とみる。

 また2003年通年の業績は,売上高が2億9000万ドル~3億ドル,一時的な費用を除いた希薄化後の1株当り利益は42セント~46セントの範囲との予測である。

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