米Borland Software社が米国時間7月25日に,2002年第2四半期の決算を発表した。売上高は5970万ドルで,前年同期の5600万ドルに比べて7%増加した。ライセンス収入は,前年の4750万ドルから5%増の5010万ドルだった。粗利益は,前年同期の83%から85%に改善した。前年同期の営業利益は490万ドルだったが,同期は440万ドルとなった。買収に関係する経費と一時的な費用を除いた場合,営業利益は前年同期の520万ドルから14%増の600万ドルになった。

 予測されていた通り,同期におけるその他の収入は減少し,前年同期の320万ドルから170万ドルになった。かなり高い現金と投資バランスにも関わらず,およそ150万ドル(希薄化後の1株当り2セント)減少しているのは,前年同期と比べて低下した利率が影響している。

 買収関連経費を含めた当期の純利益は470万ドル(希薄化後の1株当り利益は6セント)。前年同期は640万ドル(希薄化後の1株当り利益は9セント)だった。純利益は590万ドル(希薄化後の1株当り純利益は8セント)で,前年同期の一時的な費用を除いた純利益は670万ドル(希薄化後の1株当り利益は9セント)から減益となった。

 同社は,同期においてHighlander Engineering社の買収,主要製品の新バージョンの出荷を行っており,アプリケーションのライフサイクル管理の分野にも引き続き注力している。

 同期における売り上げは,同社のJava開発市場における地位によってけん引された。Java事業部門は,当期の売上高が前年同期に比べ42%増加している。同事業部門は,同期における「JBuilder 7」,「Borland Enterprise Studio for Java 4」,「JBuilder Enterprise」,「Sybase Edition」,「JBuilder MobileSet 3」の出荷から収益をあげている。

 地域別でみた売上高は,アジア太平洋地域が前年同期比38%増。それに対し欧州/中東/アフリカが3%増,米大陸は横ばい。総売上高に対する各地域の占める割合は,アジア太平洋地域が20%,欧州/中東/アフリカが35%,米大陸が45%となる。

 「当期において,成長を支援するための投資資産と厳しい経済環境下でコスト管理で適切な選択を行ったと思う。経営からおよそ1020万ドルのフリー・キャッシュフローを生成したこともバランスシートをさらに強化する要因となった。長期的な負債もなく,健全な資金繰りと堅実な製品パイプラインにより,景気の回復時に向けてさらに競争力を身につけている」(同社の執行副社長兼CFOのFrederick A. Ball氏)。

 第3四半期の売上高の予測としては,前年同期から5~10%の範囲で成長するとみている。通年の売上高も5~10%の範囲で伸び,粗利益が83%~85%の範囲に留まると予測している。

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