米Motorolaが米国時間9月16日に,Java対応組み込みソフトウエアの開発を手がける米4thpassを買収することで合意したことを明らかにした。手続きは2002年9月に完了する予定である。

 4thpass社は1997年に設立された,ワシントン州シアトルに拠点を置く未公開企業。Motorola社は4thpass社のモバイル・アプリケーション・システム「Mobile Application System(MAS)」を各種Java 2 Platform, Micro Edition(J2ME)対応製品に取り入れる。

 MASはスペインのTelefonica Moviles,米Nextel,韓国のLG Telecomといった通信事業者が採用しており,スウェーデンのEricsson,ドイツのSiemens AGなどが再販を行っている。J2MEアプリケーションやモバイル・コンテンツを管理し,安全にモバイル機器へ配信する。

 Motorola社は昨年,同社のベンチャ・キャピタル部門Motorola Venturesを通じて,4thpass社に出資している。その他の出資企業には,米Investcorp,米OVP Venture Partners,Nextel社などが含まれる。買収後の4thpass社は,Motorola社Personal Communications Sector部門の一部となる。

 Motorola社戦略および事業開発担当副社長のScott Durchslag氏は,「今回の買収は次の三つの戦略の実践に向ける。すなわち,(1)中核となる携帯電話機事業の強化,(2)ソフトウエアおよびソリューションへの中核事業拡大,(3)関連する新興分野での事業開拓である」と説明した。

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