米Cahners In-Stat/MDRが米国時間3月5日に,無線データ市場に関する調査結果を発表した。それによると,無線データを利用する企業ユーザーは,2001年末の660万人から2006年には3900万人以上に増加する。また,米国における無線データ・サービスの売上高も,2001年末の40億ドルから2006年末には160億ドル以上に達するという。

 消費者分野で多少の動きはあるものの,今後5年間はSOHOおよび大中小企業を含む企業分野が,無線データ・サービス市場の大部分を占める。なお,市場は2003年頃から急速に成長する見通しだ。

 「モバイル社員の増加や,生産性の向上などが,企業の無線データの利用を後押ししている。一方,普及を阻む要因も多数ある。企業は導入をためらう理由として,無線データが利用できる地理的な制約や,接続の信頼性,セキュリティなどを挙げている」(In-Stat/MDR社Wireless Research部門ディレクタのBecky Diercks氏)。

 しかし,このような障害にも関わらず,多くの企業が社内のコンピュータやネットワークへの無線接続の方法を模索している。この場合,使用するアプリケーション,デバイス,サービスのほか,ライセンスされたソフトウエア・ソリューションを社内で利用するのか,ホスティングを手がける無線アプリケーション・サービス・プロバイダ(W-ASP)を利用するのか,あるいはその両者を組み合わせるのかなど,さまざまな要素を検討する必要があるという。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・これまでは,特定業界に特化したアプリケーションが無線データ市場の原動力となっていたため,成長の速度に限界があった。しかし現在は,電子メールなどさまざまな業界で利用できるアプリケーションが市場をけん引している。

・社外で20%以上の時間を過ごすモバイル社員の割合は,大/中企業では約23%にのぼる。

・社内または社外のいずれでソリューションを調達する場合も,企業ユーザーが重要視するのは,価格,信頼性,安定性である。     

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