米Hewlett-Packard(HP)は中小企業向けに無料の技術カタログを配布する計画を米国時間9月12日,明らかにした。Compaq Evoパソコン,HP ProLiantサーバーからプリンタやHP iPAQハンドヘルド機といったあらゆるHP社製品をカラー写真と詳細な説明付きで掲載する。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,HP社は2001年初頭より貫いてきた「直販は大規模企業のみを対象とする」方針を捨て,あらゆる規模の企業がほとんどのHP社製品を直接購入できるようにするという。「業界の根本的な変化により,パソコンやIntelベース・サーバーといった製品の直販が要求されている」(HP社)

 今回発表した技術カタログでは,顧客がリセラー,Webサイト,フリーダイヤルなどから都合の良い手段を選んで,製品を購入することができる。

 カタログは四半期ごとに配布する。デスクトップ・パソコン,ワークステーション,出力および画像処理装置,プロジェクタ,サーバー,ストレージ装置,ソフトウエア,周辺機器のほか,データや装置を保護するためのセキュリティ・ソリューションなどを競争的な価格で提供する。

 HP社はカタログの創刊号を200万社以上の顧客企業に配布する。

 米Giga Information Groupリサーチ・フェローのRob Enderle氏は,「特にIT業界にいえることだが,ブランド戦略ではほかとは違う明確な価値を提案し,対象顧客を引きつけなければならない。信頼できる販売チャネルを利用し,視覚に訴える方法を使って一貫したブランド戦略を行うことで,顧客を確保することができる」と述べた。

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