米GartnerのDataquestは2002年第2四半期の世界ノート・パソコン市場に関して調査した速報結果を米国時間8月1日に発表した。それによると,パソコン全体の世界出荷台数は前年同期比1%減少したが,ノート・パソコンは伸びているという。ノート・パソコンの2002年第2四半期における出荷台数は690万台で,前年同期の650万台と比べて6.1%増加した。
「低迷が続く世界パソコン市場にあって,ノート・パソコンの伸びが続いていることは良いニュースだ。ノート・パソコン市場は日本と中南米を除くすべての地域で成長をみせた。米国では,新学期の準備のための購入や教育機関からの注文などにより,前年同期比9.3%成長した」(Dataquest社Computing Platforms Worldwideグループ部門のCharles Smuldersバイス・プレジデント)
米Dell Computerと米Hewlett-Packard(HP)が並んでメーカーの首位に立った。しかし,Dell社は出荷台数が前年同期比10.6%増加したが,HP社は同0.4%減少している。
■世界市場におけるメーカー別ノート・パソコン出荷台数(速報値)(単位:1000台)
メーカー | 2002年Q2 出荷台数 |
2002年Q2 市場シェア (%) |
2001年Q2 出荷台数 |
2001年Q2 市場シェア (%) |
伸び率 (%) |
Dell | 1025 | 14.9 | 926 | 14.2 | 10.6 |
HP | 1012 | 14.7 | 1016 | 15.6 | -0.4 |
東芝 | 885 | 12.8 | 794 | 12.2 | 11.4 |
IBM | 737 | 10.7 | 733 | 11.3 | 0.6 |
ソニー | 489 | 7.1 | 465 | 7.1 | 5.2 |
その他 | 2753 | 39.9 | 2572 | 39.5 | 7.0 |
合計 | 6901 | 100.0 | 6506 | 100.0 | 6.1 |
出典:Dataquest社
東芝は,米国と西欧で出荷台数が大幅に増えたことが2けたの伸びにつながった。米IBMの米国と西欧における出荷台数はわずかな増加にとどまった。ソニーは西欧で出荷台数が増加したが,米国では振るわなかった。
「2002年と2003年はノート・パソコンの出荷台数がデスクトップ・パソコンのそれを上まわるだろう。パソコン・メーカーは今後も消費者市場に向けた製品の提供に注力するべきだ」(Smulders氏)
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