米Quantumは,テープ・オートローダ「SuperLoader」を米IBMにOEM供給すると米国時間8月7日,発表した。IBM社は同製品を「eServer xSeries」製品系列の「IBM 2U SDLT Autoloader」として直ちに販売する。

 「エンド・ユーザーがオートローダ・ソリューションに何を求めているかを詳細に調査した結果,エンタプライズ・クラスの機能を持ちながら,中小企業でも購入可能なIBM 2U SDLT Autoloaderを設計した」(Quantum社ストレージ・ソリューション・グループ担当ワールドワイド・マーケティング副社長のRob Pickell氏)

 IBM 2U SDLT Autoloaderは,モジュラ設計による拡張可能なテープ・オートローダで,2U(高さ約88mm)のラックに格納できる。Quantum社のテープ・ドライブ「SDLT 220」1台とマガジンを2つ備える。一つのマガジンには最大8巻のカートリッジを装てんでき,左右に2つのマガジンを装備することで計16巻を搭載可能。16巻のカートリッジが搭載されている場合も,メール・スロットからカートリッジを1巻ドライブに直接することで,計17巻のカートリッジを同時に使用できる。

 記憶容量は最大3.5Tバイトあり,1/2圧縮時のバックアップ/リストア速度は22Mバイト/秒となる。「2Uのラックマウントに格納可能なテープ装置のなかで,記憶容量は最大」(Quantum社)

 モジュラ設計を採用しているため維持/管理が簡単で,顧客自身がコンポーネントを交換する際にシステムのダウンタイムを最小限にできるという。Ethernetポート経由で内蔵されているWWWベースの管理ツールを直接使用し,標準的なWWWブラウザからシステムの設定,制御,監視,診断,維持,更新を行える。

 なおIBM社は,今後もQuantum社のSuperLoaderを使用した新たなテープ・バックアップ装置をリリースする計画という。

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