「2001年のストレージ・サービス市場は苦闘を強いられ,売上高は250億ドルだった。しかし2002年より回復基調に入る見込みだ。市場は2002年の260億ドル規模から2005年には410億ドル規模へと成長する」。米GartnerのDataquestが米国時間2月19日に,世界のストレージ・サービス市場に関する調査結果を発表した。

 Dataquest社によると,ストレージ容量に対する需要,障害発生時におけるビジネス業務続行の必要性,ストレージ管理ソフトの普及などが市場をけん引するという。

 2001年のストレージ・サービス市場では,ハードウエア・サポートの占める割合が最も高かった。ユーザーがハードウエアの新規購入を避け,既存のストレージ・インフラの寿命を伸ばそうとするため,この傾向は2005年まで続く。

 現在,ソフトウエア・サポートによる売上高が全体で占める割合は低い。しかし,企業によるストレージ管理ソフトウエアの購入が増えるにつれ,成長が期待できる分野である。ストレージ機器の管理/仮想化ソフトウエアによりストレージ機器1台当たりの利用率が増加するため,ハードウエア・サポートの売上高にも影響が出る可能性がある。

 「ストレージ機器の利用率向上はMSP(管理サービス・プロバイダ)の売り文句になっている。ストレージ機器の利用率が上がれば,新しい機器の購入を先送りにしてコストを節約できる。またMSPは,毎日のバックアップ作業やスキルの提供といった従来のアウトソーシング事業も積極的に手がけている」(Dataquest社 IT Servicesプログラム上級アナリストのAdam Couture氏)

 またCouture氏は,「多くのストレージ・サービス・プロバイダは,サーバーやデータベースのバックアップ・サービスが著しく伸びていると報告している。9月11日の対米テロ以降,企業は障害時でも業務を続行できるように,対策を講じるようになった」と指摘した。

◎関連記事
北米ストレージ・サービス・プロバイダ市場,4年間で30倍以上の60億ドル規模に
「北米ストレージ・アウトソーシング市場は年平均100%で成長」と米In-Stat
「ストレージ・サービス・プロバイダ市場は2005年に107億ドル規模へ」--米IDC
ストレージ・サービスでIBMがトップ,2位HP,IBMがIDCのレポートを引用
富士通がストレージ・サービス事業に参入
ストレージ・オンデマンドの時代に

[発表資料へ]