米GartnerのDataquestが米国時間6月24日に,アジア太平洋地域のコンピュータ・ハードウエア市場に関して調査した結果を発表した。2002年における同地域のコンピュータ・ハードウエアの売上高は,2001年の312億8000万ドルから3%増の321億9000万ドルに達する見込み。

 「経済状態が回復に向かっているという見方が多いが,2002年第1四半期は明らかな復調が見受けられなかった。経済回復による成長のほとんどは2002年後半に現れる」(Dataquest社Asia/Pacific Computing Platformsグループ部門主席アナリストのJennifer Wu氏)

 2002年はアジア太平洋地域におけるコンピュータ・ハードウエアの売上高のうち,74%をエンドユーザー向けパソコンの売上高が占める。サーバーの売上高は50億ドルで前年と比べて5%減少するが,2006年には56億5000万ドルに回復する。

■アジア太平洋地域におけるコンピュータ・ハードウエアの
エンドユーザー支出(推測値)
(単位:100万ドル)

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                                                       2001~2006年
カテゴリ             2001年      2002年      2006年     成長率(%)
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パソコン             22,548      23,758      29,772            5.7
プリンタ              3,024       2,998       3,012           -0.1
サーバー              5,269       5,019       5,654            1.4
ワークステーション      441         417         418           -1.1
合計                 31,282      32,191      38,856            4.4
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出典:Dataquest社

 アジア太平洋地域におけるコンピュータ・ハードウエアの出荷台数は,前年比10.6%増の3598万台にのぼる見通し。パソコンがそのうち60%を占める。ただしパソコン出荷台数の増加率は10.6%で,事前の予測を下回る。

 「パソコンの出荷台数が伸びないのは,買い換えが進まないためである。しかし,中国,タイ,マレーシアなどの発展途上国では地域全体の平均増加率を上まわり,15%前後の伸びをみせる」(Dataquest社Hardware Platformsグループ部門主席アナリストのMatthew Boon氏)

■アジア太平洋地域におけるコンピュータ・ハードウエアの出荷台数(推測値)
(単位:1000台)

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                                                       2001~2006年
カテゴリ              2001年      2002年      2006年     伸び率(%)
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パソコン              19,420      21,611      33,787          11.7
プリンタ              12,419      13,642      18,733           8.6
サーバー                 576         627         873           8.7
ワークステーション        99         100         129           5.4
合計                  32,514      35,981      53,521          10.5
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出典:Dataquest社

 アジア太平洋地域の最大市場は中国で,同地域全体におけるエンドユーザー支出の42%を創出している。2006年にはその割合が47%に拡大する。2位市場は韓国で,エンドユーザー支出全体の14%を占める。オーストラリアは3位で同12%。これらトップ3の顔ぶれは2006年まで変わらない。

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