米Sun Microsystems,米BEA Systems,米Intalio,ドイツのSAP AGが,XMLベースのWebサービス協調言語「Web Service Choreography Interface(WSCI)」を公開した。Sun社が米国時間6月26日に明らかにしたもの。「WWW対応アプリケーション同士を自動的に協調させるというWebサービスの目的を実現するにあたり,WSCIは重要な基盤を提供する」(Sun社)
Sun社は,「現在のサービス記述言語は,株価の問い合わせといった単純な情報取得に適している」と説明する。「そのため,サービスが大規模でより包括的な協調作業の一部を担う場合,(現在のサービス記述言語では)詳細な動作を記述できない」(同社)
それに対しWSCIは,特定の処理内でWebサービスが交換するメッセージの“流れ”を記述するとともに,複数のWebサービスがやり取りして協調する際のメッセージ交換についても記述できる。その結果,「複数のWebサービスによって実現される複雑な処理の全体像を,表現できるようになる」(同社)という。
「WSCIは,大規模で複雑なビジネス・プロセス内でどのようにWebサービスを利用可能かを記述する。これにより,ビジネス・プロセス管理とWebサービスの溝を埋める。これがWSCIの主なメリットの一つだ」(同社)。さらにこのビジネス・プロセスは,一つの企業内だけでなく,複数の組織や企業にわたって広げることも可能という。
Intalio社共同創設者兼CSOのIsmael Ghalimi氏は,「WSCIにより,ネットワークを介したエンドツーエンドのプロセスの展開が,より容易かつ経済的に行えるようになる」と説明する。
WSCIの仕様などの情報は,各社のWWWサイト(BEA社,Intalio社,SAP社,Sun社)から無料で入手可能となっている。なお各社は,仕様の公開期間が終了した時点で,業界の標準化団体にWSCIを無償提供するという。
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