IPベースの通信インフラ用ソフトウエアを開発する米Openwave Systemsが米国時間5月29日に,Ellipsus Systems社の技術を1750万ドルで買収することを明らかにした。

 Ellipsus社はモバイル装置を使ったアプリケーション実装と管理のためのインフラ・ソフトウエアを手がける企業。Openwave社はEllipsus社の技術を用いて,自社のダウンロード管理ソフトウエアを強化し,ゲームやマルチメディア・コンテンツなどのJavaアプリケーションを配信できるようにする。

 これにより,モバイル事業者はコンテンツ提供源,デジタル著作権管理,価格設定,決済など,コンテンツやサービス配信に関するすべての管理を行うことができる。

 またOpenwave社は,米SignalSoftを買収することで最終合意に達したことを同日発表した。「モバイル・データ・サービスの拡充を図る」(Openwave社)としている。買収金額は約5900万ドル。手続きは2002年第3四半期に完了する予定である。

 SignalSoft社は,無線対応位置情報サービスのソフトウエアを開発している。同社の製品には,位置情報ゲートウエイ「Location Manager」や認証向けミドルウエア「Location Studio」をはじめ,友達の居場所を探す「FriendFinder」,ATMやレストランなどの場所を検索する「IN Location」,緊急時通話向けの「SafetyFirst」などが含まれる。

 ちなみに米Ovumの調査によると,2006年には世界で3億8500万人が位置情報サービスを利用するようになり,関連するmコマースや広告などの売上高は約110億ドルに達するという。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]