米National Semiconductorが米国時間5月20日に,2002会計年度第4四半期(2002年3月~5月期)業績予測の上方修正を発表した。第4四半期の売上高が,前期の売上高3億6950万ドルに比べ12%から13%増加する見込み。

 「全体的な注文が予想以上に好調で,無線ハンドセットやディスプレイなど主要事業で状況の改善が続いている。また,アナログ製品の需要が持ち直すとともに,アジア太平洋地域での需要が高まっている」(National Semiconductor社会長兼社長兼CEOのBrian Halla氏)

 なお同社が3月に発表した事前予測では,同期の売上高は前期比6%から9%増だった。

 同社は収益性の強化を継続させるため,全世界の従業員を対象に約150人の人員削減を行うことも明らかにした。「削減人数は全従業員数の2%未満」(同社)という。これにより,IEEE 802.11などの無線ネットワーク技術の事業規模を縮小し,情報アプライアンス事業のセットトップ・ボックスに対する投資を減少させる。

 その分の投資を,「成長が早い,携帯電話機とフラットパネル・ディスプレイ市場,アナログ電源管理分野に向ける」(同社)。さらに,アジア太平洋地域担当の販売/マーケティング要員を増やし,同地域の需要増大に対応するという。

 なお同社は,2002年3月~5月期決算と,6~9月期(2003会計年度第1四半期)の業績見通しを,6月6日に発表する予定。

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