「2001年における世界ウエーハ製造装置の売上高は,在庫過剰,需要減少,供給過剰により,減少した」。米GartnerのDataquestが,調査結果を米国時間4月12日に明らかにしたもの。それによると,2001年の売上高は233億ドル,前年の売上高331億ドルに比べ29.8%減となった。
これについて,Dataquest社半導体調査グループ主席アナリストのBob Johnson氏は,「2000年に市場が大きく成長した影響で,2001年は実質的に出荷能力が停滞し,企業の関心が技術と生産性を向上させる装置に向かっていた」と分析する。
「リソグラフィ,銅配線,プロセス制御など注目されている技術分野を手がけるベンダーにとって悪くはなかった。一方,大量購入や開発途上技術に対する依存度の高いベンダーに対しては,それとは逆の影響を及ぼした」(同氏)
2001年に順位を上げた大手ベンダーは米KLA-Tencorとキヤノンの2社だけである。KLA-Tencor社は2000年の5位から3位に上昇し,キヤノンは2000年の8位から6位となっている。
■半導体用ウエーハ製造装置の世界売上高トップ10ベンダー(単位:100万ドル) ----------------------------------------------------------------------- 2001年 2001年 2000年 2000年 売上高 市場シェア 売上高 市場シェア 成長率 ベンダー (%) (%) (%) ----------------------------------------------------------------------- Applied Materials 4,919 20.7 8,398 25.3 -41.4 東京エレクトロン 2,639 11.1 3,701 11.2 -28.7 KLA-Tencor 1,887 7.9 1,761 5.3 7.2 ニコン 1,525 6.4 1,979 6.0 -22.9 ASML 1,273 5.4 1,842 5.6 -30.9 キヤノン 1,196 5.0 1,118 3.4 7.0 Lam Research 1,131 4.8 1,418 4.3 -20.2 Novellus Systems 920 3.9 1,229 3.7 -25.2 大日本スクリーン 776 3.3 1,090 3.3 -28.8 日立製作所 633 2.4 836 2.5 -24.3 その他 6,361 27.3 9,769 29.5 -34.9 合計 23,260 100.0 33,140 100.0 -29.8 ---------------------------------------------------------------------- 出典:Dataquest社(2002年4月)
地域別でみた調査結果は以下の通りである。
・売上高はすべての地域で大きく減少。
・台湾地域は54%減少。
・DRAM製造を主に行う地域も影響が大きく,韓国は40%減となった。
・アジア太平洋地域は30%の減少で済んだ。
・欧州と米国の減少はそれぞれ27%と22%。
・日本は2001年第1四半期が好調だった影響で13%減となり,減少率が最も少なかった。
なおBob Johnson氏は,「2002年はマクロ経済の厳しい状態が緩んできている」と分析する。このため「電子装置と半導体機器の需要が伸び,大きく回復する方向にある」(同氏)という。
◎関連記事
■2月の世界半導体市場は前月から横這い,「2002年後半に急速な回復を期待」
■2月の北米半導体製造装置業界,「見通しは明るく」
■「半導体用ウエーハの需要は2002年に好転するが回復ペースは遅い」--FSAの調査
■2001年の世界半導体製造装置市場は前年比41%減,日本は17%減で「他の地域よりまし」
■半導体業界が2002年に回復に向かう兆し,米Industrialinfo.comが報告
■半導体製造の設備投資額,2001年に29%減,製造装置市場の規模は37%縮小,米データクエストの調査
■2001年の半導体製造装置市場,前年比は38%減で過去最悪
■世界半導体業界は01年Q4から回復,03年/04年は連続して21%成長の見込み
[発表資料へ]