米国半導体工業会(Semiconductor Industry Association:SIA )が米国時間11月7日に,半導体業界の今後の予測について発表した。それによると,業界は2001年第4四半期から回復し始め,2002年は年間を通してゆるやかな成長を続けるという。その後従来の成長パターンに戻り,2003年と2004年の売上高は連続して21%増加するとみる。

 2001年における世界の半導体売上高は31%減の1410億ドルとなる見通し。しかし2002年は6%増の1500億ドル,2003年は21%増の1810億ドル,2004年は21%増の2180億ドルへと成長する。

 DSP(digital signal processors),アナログ,MOSロジック,マイクロ・プロセサ,フラッシュ・メモリー,マイクロ・コントローラといった製品カテゴリが業界の成長を牽引する。

 地域別でみた場合,米大陸の2001年における売上高は360億ドル(43%減)の見込み。2002年は380億ドル(4%増)となり,2003年は460億ドル(21%増),2004年は560億ドル(21%増加)に達する。

 欧州は,2001年の売上高が300億ドル(29%減)。2002年は310億ドル(1%増),2003年は370億ドル(20%増),2004年は440億ドル(20%増)となる。

 日本は2001年が350億ドル(26%減)。2002年は360億ドル(4%増),2003年は430億ドル(20%増),2004年は520億ドル(20%増)とみる。

 アジア太平洋地域は今後3年で最も急速な成長をみせる。2001年は390億ドル(23%減)だが,2002年には450億ドル(14%増)に拡大し,2003年は550億ドル(23%増),2004年は670億ドル(21%増)へと成長する。

 製品カテゴリ別でみた主な予測は以下の通り。

・アナログ:今後3年間は業界全体と同様の成長をみせる。2001年の売上高は230億ドル(23%減)。2002年は260億ドル(9%増),2003年は310億ドル(20%増),2004年は360億ドル(18%増)となる。

・DRAM:今後3年で急激に成長する。2001年の売上高は120億ドル(60%減)だが,2002年は130億ドル(16%増),2003年は190億ドル(44%増),2004年は290億ドル(54%増)となる。

・DSP:2001年の売上高は40億ドル(34%減)となる見通し。2002年は50億ドル(16%増),2003年は60億ドル(33%増),2004年は80億ドル(29%増)。

・フラッシュ・メモリー:2001年の売上高は78億ドル(27%減)。2002年は81億ドル(5%増),2003年は100億ドル(23%増),2004年は120億ドル(25%増)となる。

 またSIAは,米Intel社長兼CEOのCraig Barrett氏をSIA会長に選出したことを11月8日に明らかにした。

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[www.sia-online.orgに掲載の発表資料1]
[www.sia-online.orgに掲載の発表資料2]