米GartnerのDataquestが米国時間1月7日に,2001年における世界半導体業界の設備投資額と,製造装置市場に関する調査結果を発表した。2001年は半導体市場が過去最低の落ち込みを見せたことから,設備投資額は前年比28.9%減の444億ドル,製造装置市場の売上高は同36.8%減の252億ドルにまで減少したという。

 Dataquest社半導体製造事業調査部門主席アナリスト兼ディレクタのKlaus Rinnen氏は,「製造業者が苦境に立たされたことは明らか」と説明する。「需要が低迷し,生産設備の稼働率が低下した状況では財政的な問題が最優先事項となる。当然設備投資は二の次になる」(同氏)

 またDataquest社のアナリストらは,「半導体デバイスが回復基調へと転換するのは2002年が最も現実的」としている。このことから半導体製造装置の市場が回復するのは2002年後半と予測する。

 なお,製造装置市場における需要は依然低いものの,2002年の後半は最先端設備への投資が抑えられることから,支出額はいくらか増大するという。ただし「製造装置市場は2002年に19%縮小すると思われるため,投資額全体の減少をくい止めるまでには至らない」(同社)。

 設備投資の削減は全世界で行われた。アジア太平洋地域では,ファウンドリやDRAM製造業者などが軒並み削減を行い,約47%の減額となった。同地域では台湾が50%以上と,最も減額率が大きかった。

 また米国では21%減,欧州では26%減,日本では約18%減となった。設備投資額の削減は2002年も続くという。これまでの過剰な生産能力がその原因となっている。「2002年は約24%縮小する」と同社は見込んでいる。

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