米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)が米国時間12月3日に,2001年10月の世界半導体市場に関する調査結果を発表した。売上高は104億3000万ドルで,9月の101億8000万ドルと比べて2.5%増加。4カ月連続して回復傾向にあり,また2000年11月以来初めて前月比成長がプラスに転じた。ちなみに9月の前月比は2.5%減だった。

 「10月の売上高は,第4四半期に4.7%成長するという我が社の予測に則した数字となった。日本を除くすべての地域で売上高が増加しており,欧州は5.1%成長した。また幅広い分野で出荷個数が伸びをみせ,とりわけパソコン,携帯電話機,通信関連製品,コンシューマ機器などが好調だった」(SIA議長のGeorge Scalise氏)。

 さらに同氏は,「2001年の世界半導体市場は,過剰在庫や価格低下により31%落ち込む見通しだ。しかし最近の調査によれば,在庫はバランスの取れた状態になり,一部の分野で価格が上昇している」と説明した。

 SIAは11月初頭に,半導体世界市場が2001年第4四半期から回復し始めるとの予測を発表している。2002年の成長率は6.3%程度だが,2003年と2004年の売上高はそれぞれ21%増加する。市場は2001年の1410億ドル規模から,2004年には2180億ドル規模に拡大するとみる。


■前月比(単位:10億ドル)
市場 2001年9月 2001年10月 成長率
米大陸 2.44 2.51 3.1%
欧州 2.09 2.20 5.1%
日本 2.41 2.34 -2.6%
アジア太平洋 3.24 3.37 4.0%
合計 10.18 10.43 2.5%
出典:SIA


■前年同期比(単位:10億ドル)
市場 2000年10月 2001年10月 成長率
米大陸 5.90 2.51 -57.4%
欧州 3.79 2.20 -42.0%
日本 4.35 2.34 -46.1%
アジア太平洋 4.60 3.37 -26.7%
合計 18.65 10.43 -44.1%
出典:SIA


■3カ月の移動平均 (単位:10億ドル)
市場 2001年5~7月 2001年8~10月 成長率
米大陸 2.69 2.51 -6.5%
欧州 2.25 2.20 -2.3%
日本 2.77 2.34 -15.2%
アジア太平洋 3.10 3.37 8.8%
合計 10.81 10.43 -3.5%
出典:SIA

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