米Allied Business Intelligence(ABI)が米国時間5月16日に,ケーブル事業者の提供するケーブル・テレフォニ・サービスに関する調査結果を発表した。それによると,2001年におけるケーブル・テレフォニの市場規模の拡大は,アナリストの予測を大きく上回ったという。また「2002年も,ケーブル・テレフォニの加入者数の上位には米AT&T Comcast,Optus社,米Cox,米UnitedGlobalCom,Jupiter Communications社が名を連ねる」(ABI社)という。

 世界的な傾向として,ケーブル事業者はいまだ回線交換技術に対する投資を行っており,IPケーブル・テレフォニへの移行は進んでいない。「IPケーブル・テレフォニにはコスト削減とネットワークの使用効率向上というメリットがあるものの,まだ装置ベンダーはケーブル事業者の期待に応えていない」(ABI社)

 ABI社上級アナリストのJohn W. Chang氏は,次のように説明する。「ケーブル・テレフォニ自体に価値があることははっきりしている。ケーブル事業者は音声,データ,ビデオを組み合わせたサービスを提供することで,加入者1人当りの売上高を増加させると同時に,解約率を大幅に下げられる」

 そのほかの調査結果は以下の通り。

・ケーブル・テレフォニの加入者数は,2002年末に521万人に達する。それに対し2001年は,293万人であった。

・ケーブル事業者のケーブル・テレフォニによる売上高は,2002年末に21億1000万ドルになる。

・AT&T Comcast社の合併に引き続き,ケーブル業界では今後も企業の合併/買収が行われる。

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