米Advanced Micro Devices(AMD)が,これまで「SledgeHammer」(開発コード名)と呼んでいた64ビット・プロセサを「AMD Opteron」と名付けた。AMD社が米国時間4月24日に明らかにしたもの。同プロセサは同社の第8世代企業向けプロセサにあたる。
AMD Opteronプロセサの出荷開始は,2003年前半を予定する。これに対し,デスクトップ・パソコン向け第8世代プロセサの出荷は,2002年第4四半期を予定している。デスクトップ/ノート・パソコン向けプロセサのブランド名は,これまで通り「AMD Athlon」を継続して使用する計画である。
またAMD社は同日,Winodowsにおける第8世代の64ビット・プロセサ,AMD AthlonとAMD Opteronの対応について,米Microsoftと共同で作業を進めることを明らかにした。
AMD Opteronプロセサはx86-64技術を使用する。x86-64は,x86命令セットを64ビットに拡張するアーキテクチャで,既存のx86命令とのバイナリ・レベルでの互換性を維持する。そのため,既存の32ビット・アプリケーションを無駄にすることがないという。「32ビット・アプリケーションを速度低下を起こさず実行できるので,企業は64ビット技術への移行をスムーズに行える」(AMD社)
また,大きなサイズの物理/仮想メモリに対応しており,高性能のサーバー,データベース・管理システム,CADツールなどに向くという。
同プロセサは,LSI間のポイント・ツー・ポイント接続に向けたバス技術「HyperTransport」も用いる。3つのHyperTransport内部接続を備え,合計のバンド幅は最大19.2Gバイト/秒に達するという。「今日多く使われているサーバー用プロセサのスループットよりも,最大で6倍高速になる」(同社)
大手Linuxベンダーの64ビットOSも同プロセサに対応する予定という。なおAMD社は2月に,ドイツSuSE Linux AGのる同プロセサの対応について明らかにしている。
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