米In-Stat/MDRは米国時間4月9日,スマートフォン市場に関する調査結果を発表した。それによると,世界におけるスマートフォンの出荷台数は,2002年の990万台から,2006年には約1600万台に増加するという。第2.5世代(2.5G)および第3世代(3G)無線ネットワークの構築が進み,世界経済が活況を取り戻すにつれ,製造業者とキャリアに大きな収益機会をもたらすとみる。
「市場は成長期に入りつつあり,スマートフォンの製造業者は明るい見通しを立てている。しかし,相互運用性を実現する標準規格の欠如や価格といった障害が残っている。とりわけ北米ではマーケティングが大きな課題となっており,スマートフォンが提供する利便性をエンド・ユーザーに知らしめる必要がある」(In-Stat/MDR社上級アナリストのNeil Strother氏)
市場を短期的にみた場合,スマートフォンはまずモバイル・プロフェッショナルや,金銭的に余裕のある最新機器の愛好家などを引きつける。市場成長のカギを握る一般ユーザーへの普及は,製造業者とサービスを提供するキャリアが音声機能とデータ機能をバランスよく搭載し,手頃な価格で提供できるかにかかっている。
その他の主な調査結果は次の通り。
・2002年の市場シェアをみた場合,日本が全出荷台数の69%を占めて市場をリードする見通し。日本ではiモードが依然として活況を呈しており,iモード契約台数は3000万台を超えている。2位の米国は大きく引き離されて,14%のシェアにとどまる。
・米Handspringが2002年第1四半期に,長らく出荷が待たれていた「Treo」をリリースする。PDA専門メーカーで,自社製品にテレフォニおよびデータ・サービスを統合するのはHandspring社が初めてとなる。
・現在,最も成功を収めているスマートフォンは,日本で販売されているiモード対応携帯電話機である。日本市場以外では,スマートフォンの本格的な普及は始まっていない。しかし,ベンダー数社が今年中に新製品をリリースする予定である。
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