米Pioneer Consulting LLCが米国時間3月11日に,「メトロ(都市圏向け)DWDM(Dence Wavelength Division Multiplexing:高密度波長分割多重)システムの世界市場規模は,2001年の14億ドルから増加し,2006年までに126億ドル近くに達する」などとする調査結果を発表した。

 メトロ市場向けのネットワーク技術は進歩しており,データ・トラフィックの増加が続いているため,より多くのネットワーク容量が必要になっているという。「メトロ・ネットワークにおいて容量を増加するには費用がかかる。一般的に光ファイバを増設するか,メトロDWDMシステムを構築することになる」(Pioneer Consulting社)

 しかし「メトロDWDM展開の根拠となる経済的な要素がわかりにくいことが多い」と同社は説明する。導入当初に最適な方法と思われていた技術が,長期的な経済価値から判断すると最良の方法でないこともあるという。「距離,チャネル利用の大きな伸び率,配線用配管に空きのない密集した地域に新たな光ファイバを敷設するコストなど,地域固有の状況が判断要素として数多く存在している」(同社)

 同社によれば,距離に応じた最適な方法は次の通りという。

・20km未満:光ファイバを追加敷設するのが,一般的に全体的なコストおよび波長当りのコストの面から最も経済的。

・50km超:メトロDWDMが,全体的なコストおよび波長当りのコストの面から最も経済的なことが多い。

・20kmから50km:対象システムを取り巻く状況や経済的な判断基準に応じ,光ファイバの追加敷設とメトロDWDMのいずれもが適用可能。

 Pioneer Consulting社光ネットワーク担当上級市場アナリストのDoug McEuen氏は,「20kmから50kmの範囲でメトロ・ネットワークを展開している通信事業者は,全体的な展開コスト面で有利なメトロDWDMか,波長当りのコストで有利な追加光ファイバの敷設か,どちらかに決める必要がある」と説明する。

 「現在通信事業者は,最終的な収益を考慮してメトロDWDMを選ぶ傾向にある。DWDMの全体的なコストは,光ファイバ敷設コストよりも速く低下する傾向がある。そのため,今後コストと距離の関係は変わり,メトロDWDMの市場機会が増える結果になるだろう」(同氏)

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