米Direct Marketing Association(DMA)は米国時間3月12日に,オンライン小売業者によるWWWサイトの活用法に関する調査結果を明らかにした。それによるとオンライン小売業者は,ROIを見込めない無駄な機能に投資する代わりに,WWWサイトの収益性を向上する基本に立ち返っているという。
DMA,CEOのRobert Wientzen氏は「小売業者は検索技術,商品を魅力的にみせる機能,顧客サービスなど,売上高の増加に直結する販売戦略に重点を置くようになった。売り上げを保証できないオンライン・コミュニティの構築などは,以前ほど重要視していない」と説明した。
DMAは,オンライン小売業者が収益性を向上するための秘訣として以下の10項目を挙げている。
1. 製品カテゴリの特徴,対象とする顧客,販売チャネルを明確にしたコンテンツを作成する。電子機器などのカテゴリでは,消費者が購入を決定する際に詳細な情報を必要とする。
2. WWWサイトではインタラクティブな技術を利用して,オンライン・ショッピングに付加価値を提供する。ズーム,3次元表示,色を変えるなどの視覚効果は,コンピュータ,スポーツ用品,アパレル製品,アクセサリなどを販売するサイトや,百貨店,量販店のサイトなどで頻繁に使われる手法である。
3. 商品を購入するまでに必要なクリック回数を最小限に抑える。スムーズに購入できれば,買い物かごに商品を入れたまま決済をせずにサイトを去る消費者を減らすことができる。
4. ターゲットを的確に絞った電子メールによる効果的な広告を行い,顧客の問い合わせに対して,正確かつ迅速な対応を心がける。
5. 検索技術に投資し,消費者が製品カテゴリ,キーワード,価格,製品の受取人,テーマ,利用目的など,複数の要素から製品を検索できるようにする。
6. 関連製品の“ついで買い”を促すクロス・セリングや,より高額な製品を提案するアップ・セリングを行い,複数製品の購入を促す。
7. ギフト向け商品を集めたページや,広範なギフト向け商品の検索など,時宜を得たギフト関連サービスを提供する。
8. 商品の在庫と注文状況に関する情報をリアルタイムで提供する。
9. 注文量に応じて配送料を無料にするなど,収益性を犠牲にすることがない販売促進キャンペーンを展開する。
10. オンラインとオフラインを含む複数のチャネルで一貫性のあるサービスを提供し,顧客の利便性の向上と,運営コストの削減を図る。
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