モバイル向けインスタント・メッセージングとプレゼンス・サービス(IMPS)の仕様策定プロジェクト「Wireless Village」が英国時間2月13日に,「Wireless Village version 1.0」仕様を発表した。
Wireless VillageはスウェーデンのEricsson,米Motorola,フィンランドのNokiaが中心となって2001年4月に立ち上げた。モバイル向けインスタント・メッセージングとプレゼンス・サービスにおける共通仕様の策定と普及を目的としている。
Wireless Village version 1.0は,モバイル機器と固定されたインターネット機器とのあいだで,インスタント・メッセージやプレゼンス情報を交換するための仕様である。ここでいうプレゼンス情報とは,ユーザーが「オンラインかオフラインか,あるいはビジー状態か」「現在位置は家か,会社か」「ユーザーの機嫌は良いか悪いか」といったことを指す。
Wireless Villageは,Wireless Village version 1.0プロトコルで提供する機能間の相互操作性についてデモを行う予定である。デモには,Wireless Villageに参加するパートナ企業やスポンサ企業の携帯電話機,モバイル・コンピュータ,パソコン,サーバー製品を用いる。
Wireless Village仕様に準拠した製品やサービスにより,消費者は相互操作性のあるインスタント・メッセージングとプレセンス機能を無線装置で利用できる。消費者とビジネス・プロフェッショナルは,場所や時間を問わず,プレゼンス情報の閲覧,コンテンツ共有,マルチメディア・インスタント・メッセージの送信,コミュニティのチャットへの参加が行える。
携帯電話機,モバイル・コンピュータ,デスクトップ・アプリケーションの相互操作性は,独立したアプリケーション・プロトコルを通して実現できる。「装置メーカーやアプリケーション開発者,無線通信事業者は,SMS,WAP,HTTPなどのオープンな仕様を利用することにより,Wireless Village準拠の製品やサービスを2002年にリリースできるだろう」(Wireless Village)
またEricsson社は,スウェーデンで現地時間2月13日に,Wireless Village version 1.0に準拠したIMPS用サーバー「Instant Messaging and Presence Server」のデモに成功したと発表した。英国で2月12日と13日に実施したデモでは,ソニーとEricsson社の合弁企業Sony Ericsson Mobile Communications社,Motorol社,Nokia社の携帯電話機を用いて相互操作性をテストした。
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