米IBMが米国時間2月11日に,同社の「eServer xSeries 330」サーバーにメモリー拡張技術「Memory eXpansion Technology(MXT)」を組み込むことを明らかにした。「メモリを実装容量の2倍利用できるようにし,大幅に性能を高める。MXT技術を搭載していないサーバーと比べてコストを最大25%節約できる」(IBM社)としている。

 MXTはIBM社のIBM Research部門が開発した技術。高速ハードウエア・アルゴリズムをベースにする。メモリー・コントローラ・チップのデータや命令を効率的に処理するための共有キャッシュと組み合わせる。頻繁に利用するデータや命令を自動的にマイクロプロセサの近くに保存して即座にアクセスできるようにし,利用頻度の低いデータは圧縮してメモリに保存する。その結果,「メモリー容量の倍増と処理速度の向上を同時に達成できる」(IBM社)という。

 eServer xSeries 330はIBM社が2000年10月に発表した高さ1U(約4.5cm)の薄型サーバーである。コネクタや配線の数を減らす機構に特徴がある。「Cable Chaining Technology(C2T)」接続技術により,1本のケーブルで最大42台をデイジーチェーン接続することが可能。また,同社の自己管理/自己修復が可能なサーバー開発プロジェクト「Project eLiza」の技術を取り入れている。

 MXTを組み込んだeServer x330は,LinuxやWindowsをサポートする。サーバーのトラブルを警告し,故障個所を即座に検出するための機能「Light Path Diagnostics」を備える。

 なお,IBM社はMXTを米Broadcomの子会社ServerWorksにライセンス供与している。ServerWorks社はMXTを取り入れた製品を顧客に販売する予定である。

◎関連記事
米IBM,xSeries 330を256台使った“Linuxスーパーコン"を英社から受注
IBMサーバーの長期計画が判明,Linuxを核に,全機種を“統合"へ
「Q2の世界サーバー市場は売上高16%減,出荷台数3%減」,米IDCの調査
「Q2の世界サーバー市場は出荷台数97万3784台。わずか0.7%増」---。Dataquestの調査
2001年の世界サーバー市場はわずか1.8%の伸び,米国市場は9.5%減
2001年Q3のサーバー市場は前年比30%減,シェア上位はIBM,コンパック,HP,サン,デル
米コンパックがサーバー製品の新戦略を発表,製品出荷は2002年早期に

 サーバの技術,製品,市場の動向に関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「サーバー」で詳しくお読みいただけます。

 Linuxに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「Linux」で詳しくお読みいただけます。

[発表資料へ]