3次元グラフィックス・アクセラレータやマルチメディア機器を手がけるカナダATI Technologiesが現地時間12月6日に,2001年9月~11月期(2002年会計年度第1四半期)業績予測の上方修正を発表した。事前の予測に反して当期の売上高は前期を上回り,収益率が向上する見込みだという。2001年9月~11月期決算の正式な報告は,2002年1月9日に行う予定。

 ATI社が2001年10月4日に2001年6月~8月期の決算を発表した時点では,2001年9月~11月期の決算について低落傾向との見方を明らかにしていた。これは,9月11日に発生したテロ事件と景気先行きの不透明感を考慮したもの。

 業績が好転したことについてATI社社長兼COOのDavid Orton氏は,「2001年9月~11月期にATI社の中核事業で売上高が伸びた」と説明する。さらに,「ATI社がグラフィックス技術開発を担当した任天堂のGAMECUBEの発売が成功したことも,収益に貢献している」と語っている。

 2002年会計年度の残りの期間について同氏は,「デスクトップ・パソコンとモバイルに向けた効果的な計画をすでに用意してあるので,市場シェアを拡大することに対しては楽観的だ」との見通しを述べている。「システム・インテグレータ・チャネルの新たな事業戦略で納得のいく効果を上げ始めている。また,GAMECUBEの販売により,多額のロイヤリティ収入を継続して得られるはずだ」(同氏)。

 また同社は同日,Paul Russo氏に対して取締役への就任を依頼したことを明らかにした。同氏の就任については,2002年1月10日に開催する株主総会で承認を得る予定。同氏の専門は,半導体およびデジタル画像技術だという。

◎関連記事
カナダATIと米Intel,IEEE 1394準拠のマルチメディア・グラフィックス・ボードを発表
カナダATIがモバイル向けグラフィックスLSI「MOBILITY RADEON」を開発,消費電力は約0.5W
米インテルとカナダATIがクロスライセンス契約,チップセット開発も視野に
ATIと任天堂が独占契約,「GAMECUBE」向けグラフィックスLSIの供給で
「2001年におけるビデオ・ゲーム業界の売上高は新記録の可能性」,と米NPD
“Xbox"と“ゲームキューブ"待ちで買い控え,ゲーム機市場はマイナス成長に
任天堂が「GAMECUBE」の米国出荷台数を70万台に引き上げ,11月18日店頭発売
「米国消費者のこれから買うゲーム機」調査,2位にXboxが食い込む,1位はPS2

[発表資料へ]